
手造りの酒が旨い
「手造りの酒が旨い」と言われるのは、その土地の風土を映し、個性が際立つからであろう。
幸い八重垣は、酒造好適米として名高い播州産山田錦、林田川の伏流水という優れた素材を地元に持っている。
『純米大吟醸原酒』は、杜氏 田中 博和氏が、故郷の但馬で酒米「兵庫北錦」を自らの手で育てた。
兵庫北錦は、山田錦、兵庫夢錦と並び「三錦」といわれる兵庫県生まれの酒米の一つ。
粒の大きさ、中心に白く発現する「心白」の大きさでは山田錦を上回ると言われている。
「兵庫北錦」を知り尽くした、杜氏が醸すこだわりの逸品。
試飲後感
やや濃醇(のうじゅん)甘口で味わい深い酒です。飲み方は冷やかロックがベストかなと思います。
注ぐときに起ってくる香りで、濃厚なあじわいをイメージさせられ、口を早くお猪口に持って行きたい衝動に駆られました。
但馬杜氏 田中博和 氏 プロフィール
昭和17年3月1日、但馬杜氏の郷、美方郡温泉町生まれ。父も叔父も杜氏という環境で育つ。
- 昭和31~34年
- 岸田酒造合資会社 飯屋
- 昭和34~36年
- もと屋
- 昭和36~43年
- 代司
- 昭和43~46年
- 福井酒造(愛知県) 兵庫県杜氏大学を卒業 頭
- 昭和46年~
- ヤエガキ酒造杜氏就任(28歳)
- 昭和46年~
- この世界では珍しい28歳という若さで杜氏として八重垣に入社する。
- 昭和47年~
- 米を酒造好適米山田錦に。
- 昭和48年~
- 自動製麹機を使わない、蓋麹法を復活転換。純米酒を主流にする。 戦後の名残り、原料米の割当制が廃止。
- 昭和44年~
- 自主流通米制度導入、5年間の業界による自主規制を経て、49年に自由に購入出来るようになる。 八重垣の先代社長・長谷川勘三は、酒造りの現場に、原料米のコストや生産効率は無視するように命じる。
「一切原価は問わない。最高の米で芸術としての酒造りをめざす」
以来、今日まで最高の米を贅沢に使い、最高の酒造りをすることが、ヤエガキの鉄則となる。
先代社長の酒造りの意思を引き継ぎ、徹底して手造りにこだわり、上質な酒を求め続けている。
昭和61年 ヤエガキ創業320周年。これを記念して誕生したのが『無』。
原点復帰。白紙の状態、無にもどって造られた純米吟醸酒。
黒い瓶に和紙に墨文字で描かれたラベル。利益を追求せずに、古きよき時代をイメージした限定発売品であった。
「20年以上経ったが、このお酒を口にした時の事を、まだ覚えている。当時27歳、この業界に入り4年目。興味を持ってあれこれ、飲まさしてもらっている頃、メチャ濃厚な味わいに日本酒、清酒の興味により引き込まれる基になったお酒と言ってもいい。限定と聞いて、同じような味わいを求めあれこれと、前にも増してお酒の量が増えました。」
平成5年 平成4酒造年度全国新酒鑑評会、金賞受賞。純米大吟醸「無」。
創業320周年記念限定品の名前を復活、瓶とラベルは自然の恵みを謳歌し木の文化を物語るカラフルなデザインに一新される。
「待っていた。という感じだった。通常飲むには、もったいないが、友が来た時などの、もてなしの酒として愛飲させてもらっています。」
平成6年 純米大吟醸『無』の全国新酒鑑評会金賞連続受賞。
最近の受賞略歴
純米大吟醸「黒乃無」
- 2005 IWSC 金賞(ベストインクラス)
- 2006モンドセレクション
- 2007モンドセレクション 金賞 2年連続受賞 通算10回
- 平成18年度全国新酒鑑評会金賞
純米大吟醸「青乃無」
- 2006IWSC 金賞(ベストインクラス
- 2007モンドセレクション 金賞
備考
純米大吟醸酒「箙(えびら)」を5年ほど前になりますか、飲ませて頂いた時、キレのある味わいが印象的でした。
豊かな酒の旨みの残る味わいに甘辛もちょうどよく、米の旨みが生かされた酒でした。
山田錦で造られた『無』、兵庫北錦で造られた『箙』を味わう機会がありましたら、皆様にも味わって頂きたいです。
職人気質というものを、感じています。直接お会いして語ったことなどないのですが、HPのインタビューを読ませて頂いたり、 ヤエガキの営業さんが持ってこられるパンフレットなど、又、営業さんが教えてくださる商品の説明の中に登場されるイメージです。
昭和17年3月1日生まれとお聞きしています。
当時、28歳の杜氏さんは、大抜擢ではと推測するのですが、すでに高い技術力と統率力を備えられ、 酒造研究に対しても貧欲な姿勢をお持ちであったと聞かせてもらっています。
酒造りを、愛情をつくす「子育て」とし、「酒は心で造るもの」と言われる杜氏さんに我々、飲む側がどんなに喜んでいるのかを伝えないと申し訳ない。
喜んで飲まさせてもらっている姿を、見てもらわないと、心を込めて造られた心に報われないように思う。
又、こんなに喜ぶ姿が見れるのならばと、杜氏の後継者に使命感をもった若者も出るのではなかろうか、と勝手に思っています。



コメントする
(頂きましたコメントには、コメントとメールにて お返事をさせて頂きます。)