「飲めるの?」
キャップシールをおもむろにソムリエナイフでカットして、コルクを抜く準備をする。「こんばんわ」とお出ましになったのは、黒いカビちゃん。
何年か寝かせていたワインには良くある事。
適当な温度と湿度で保存をすれば、当たり前なのだが、万人に好かれるカビちゃんではない。
カビちゃんの出現に、眉をひそませ「それ、飲めるの?」と嫁さん。
「コルクが乾燥していないから、瓶の中は大丈夫だよ。」ときれいな布巾か、キッチンペーパーを湿らしてカビをふき取る。
なんと言われようが、飲むのだが、
医療福祉関係に従事する為か、カビちゃんにナーヴァスなところがある。
嫁さん、いわく。私は野生児であるらしい。だから私の言葉に説得力が感じられないらしい。
そこで、語るようになる。
お毒味役?
語るのは次の点だ。ワインのカビはボトルにコルクの栓をする時に、こぼれたワインについたものだ。
コルクが乾燥したり、いたんでいなければ密閉されているのでボトルの中にカビは入ってこない。
ワインのアルコールと酸で、カビがもし入ったとしても、繁殖は出来ない。
何年もたったワインは、適度な湿度と温度で管理すると黒っぽく汚れるのは当然のこと。
そんな事を説明した後、
「栓を開けて、最初に自分のグラスに注いで飲むのは、君に飲ませて良いかの確認、つまり毒味役をしているんだよ。」
「ふぅん」
「味が変だったら、君のグラスには注がないよ。」
「先に飲みたいからじゃぁーないんだ。」
なんとなく納得をしてくれたようである。
「ついでに、白カビや青かびの時は、液漏れや、コルクがいたんでる可能性があるから、注意したほうがいい。」
「まぁ、ワインを人に勧める時は、自分で味見をしてしてからってことね。」
「うぅん。古いワインは特に状態がわからないといけないからで、カジュアルワインはそこまで気を使わないでもいいよ。それと、焼酎の一杯目も自分のグラスに注いだ方がいいよ。」
「あっ、焼酎はあんまり飲まないから大丈夫。」
自分が飲むことを基準に、かんがえているなっ。
ワインを買う時の、液漏れチェックだけど、液面のチェック。ラベルのシミなどを見るのもそうだが、キャップシールが回るかどうか。これも一つの判断になる。ただし、お店などではしないほうが良い。ワインにダメージを与える場合があるから。
自分のスットクでならば試しても良いのでは?
回る物は良いが、回らない物は、液もれしたワインとシールがくっついている可能性がある。
一概には言えないが、どっちから封を開けようかと悩んだ時など、回りにくいものから封を開けるようにしている。
もしかしてと、思い当たる物は早めに封を開けて飲んだほうが良いからだ。



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