ほのかに熟したフルーツの甘みの「賀茂泉造賀純米生酒」

稲穂造賀地区は、賀茂泉酒造のある東広島市中心部から国道375号線を北へ約10km、標高約350mの高原の中にあります。その地区は水や日照量、昼夜、夏冬の温度差などの自然条件に恵まれ、古くから稲作が盛んな場所です。

平成元年に「地元の米、地元の水で酒を仕込もう」という呼びかけのもと、地元稲作農家と酒蔵が協力して東広島酒米栽培推進協議会を結成し、酒米の栽培が始まりました。

現在、造賀地区では29戸の農家が2400アールほどの水田で、酒造米の王様と呼ばれる山田錦を栽培しています。県食品工業技術センターの比較分析検査によると、全国ブランドとして有名な兵庫県産山田錦よりも造賀産山田錦のほうが、酒造に適した低タンパクで米粒も大きく優れていることが分かりました。その結果、地元稲作農家と酒蔵のみならず、行政、JA、精米器メーカーなどが一丸となってこの地区での山田錦の栽培に力を注いでいます。

賀茂泉造賀純米生酒は、その造賀地区の山田錦を100%使用して醸された純米生酒です。一切加熱処理されていないフレッシュな味覚、山田錦ならではのきめ細かい上質な旨みと爽やかな味わいが存分に楽しめる酒です。

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キャラメルとメントールの甘みの「貴醸酒オーク樽貯蔵」

食後酒平安時代の古文書「延喜式」に記されている古代酒の製法を、今に再現した酒が貴醸酒です。それを再現する際に、フランス産高級ワインの貴腐ワインをモチーフに開発されたことから、貴醸酒とネーミングされました。

酒造りにおいて三段仕込の三段目、「留仕込」のとき仕込み水の代わりに純米酒を用いて醸す大変贅沢な酒なのです。

貴醸酒オーク樽貯蔵は、濾過していないオーク樽貯蔵の貴醸酒です。長期貯蔵古酒をベースにほどよくブレンドされた、複雑な味わいが楽しめる酒質です。

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フレッシュでかつ濃醇な「神杉 うすにごり生原酒 酒人」

濁り酒酵母菌の生きた酒は元来美味しいと私は思います。酒の中の微生物が新鮮であればあるほど日本酒は風味がよくなるのです。

とくに生原酒濁り酒ともなると、かなりの量の酵母菌が見込めます。だからその酒はきっと、生酒ならではのフレッシュな風味を持ちながらも、様々な要因の複雑な味わいをも併せ持つはずです。

「神杉 うすにごり生原酒 酒人」はそんな酒です。神杉酒造の地元、西三河の酒造好適米「若水」を100%使用した、一切火入れも加水もしていないうすにごり生原酒です。

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米の旨みの効いた「神杉 純米しぼりたて 無濾過生酒 1800ml」

米の旨み「神杉 純米しぼりたて」は出来上がったばかりのしぼりたて無濾過生原酒です。熟した果実香と生原酒のフレッシュなコク。地元産酒造好適米の「若水」を100%使用し、蔵の地下から取れる良質な井戸水で醸されました。

若水という酒造好適米は、粒のサイズが大きくて酒造りにかかせない心白が豊富に現れるのが特徴で、しっかりとしたお米の旨みが感じられる酒になります。

造り手の神杉酒造は愛知県西三河にあり、地元産酒造好適米を中心に旨口酒を造り続けています。杜氏は越後杜氏です。銘は酒の神様として有名な奈良の大神神社の神杉より命名されました。

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骨身にしみる甘みの菊水四段仕込み

stewed菊水の四段仕込は通常の日本酒の仕込の三段にプラスして、しぼる前のもろみに甘みをつけるため、もう1回蒸米を足しています。この4回目の仕込みにうるち米を使ううるち四段をもって四段仕込みとするところです。

昭和時代には比較的ポピュラーな酒の醸造方法で、とても濃醇甘口に仕上がります。その甘口は砂糖水のような甘みではなく、旨味が濃厚で芳醇な味わいになります。

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イチゴとバナナの香りの「誠鏡 超辛口 生酒」

瀬戸内海瀬戸内海の海岸線に沿って走る国道185号線を西に向かい続けると、竹原の町へたどり着きます。この町は古くから港町として栄え、時代小説の挿絵のような古い町並みは今も残っています。

そして酒都と称される広島西条の影に隠れてしまいがちですが、酒の町でもあります。爽やかな酸味とフルーティな香りを引き出すリンゴ酵母を発見したことで有名な中尾醸造もこの町にあります。

中尾醸造の酒はリンゴ酵母を使った幻シリーズだけでなく、通常の協会酵母を使った酒も造ります。しかしリンゴ酵母でない酒も不思議とリンゴの香りがします。

さて、そんな蔵元から今回新発売された日本酒、「誠鏡 超辛口 生酒」を試飲しましたので、レビューしたいと思います。

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軽快でスッキリした味わいの百芋

sweet potato芋焼酎は一般的に米麹で造られているものがほとんどです。

ところが西酒造の百芋は米の代わりに芋を使って麹菌を育て、焼酎造りに活かします。100%芋で造るから百芋なのでしょう。

黄金千貫を原料に、芋麹、白麹で常圧蒸留で醸された焼酎です。

この全量芋焼酎はすっきりとしていてやさしい味の酒質になると言われます。

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フルーティでかつ複雑さもあわせもつ「手造り純米酒 光武」

多良山系から湧き出る伏流水九州は焼酎どころというイメージがありますが、佐賀は唯一日本酒が圧倒的に好まれる日本酒県です。一人あたりの日本酒の消費量は九州一です。

日本酒が好まれる理由は、県が九州でも有数の米の産地で、良質で豊かな水にも恵まれていることと、江戸時代から佐賀藩主鍋島公が積極的に日本酒造りを奨励してきたことなどがあげられます。

県の南部にある光武酒造場もおいしい佐賀の日本酒を造る蔵元のひとつです。やや甘口ながらきれの良い味わいの酒を造ります。酒は多良山系から湧き出る伏流水でじっくりと仕込まれます。

光武酒造場の代表銘柄は「金波」ですが、蔵名を冠した特定名称酒のシリーズもあります。その中でも今回は「手造り純米酒 光武(みつたけ)」を試飲しましたので、レビューしたいと思います。

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さつまおはら伝承濁りは荒々しい雑味と力強い旨みを併せ持つ、焼酎ヘビーユーザーへおすすめの芋

roller coasterさつまおはらは減圧蒸留で造られたとてもフルーティでクセのない芋焼酎です。雑味のない喉越しの良い芋焼酎ですので、オンザロックですっきりと楽しむタイプと言えます。

さて、このさつまおはらには伝承濁りと銘打ったバージョンもあります。

一口ににごり焼酎と言っても、蔵独自の思想によりいろいろなタイプに別れます。不純物を適度に手作業ですくい取って熟成させたもの、粗ろ過により濃厚な飲みごたえをねらったものなどです。

いずれにせよにごり焼酎と銘打つものもたいていは、ある程度の雑味を廃しようとしているようですが、このさつまおはらにごり伝承は違います。

コンセプトに「芋焼酎本来の旨味と香りのある味わい」をかかげ、蒸留後、浮遊している芋の皮などを取り除くだけ、だそうです。

雑味の原因となるフーゼル油分も一切取り除かないそうですので、荒々しい雑味と力強い旨みを併せ持つ味わいに仕上がっています。

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バナナのようなねっとりとした甘い香りの「白牡丹純米吟醸生」

生酒広島西条に居を構える白牡丹酒造は、戦国時代、武将として名を馳せた島左近の末裔が開いた酒蔵とのことです。

島左近は日本の覇権を争う大合戦、関ヶ原の戦いで西軍に与し、そして奮戦虚しく敗れ、広島西条まで落ち延びていったそうです。

そして左近はそのまま西条に足を止め、その子孫が酒造業を始めたというのですから面白い転身ですね。

さて、この度はその白牡丹酒造の蔵出ししぼりたて生酒を試飲しましたので、レビューしたいと思います。

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